一豊と千代の夢である「一国一城の主」、一国ではないが一城の夢が叶ったのがこの長浜城である。
長浜はもともと今浜という地名であったが、秀吉が城主となった際に長浜と改名された。賤ヶ岳の合戦後秀吉配下の子飼いの武将達が5000石や3000石で七本槍として加増を受けるをみて一豊はさぞ悔しがったことだろう。功名が辻の原作では、秀吉の妻寧々により一豊を取り上げるようやりとりがある。
やがて、小牧・長久手の戦いを経て、長浜5000石、数ヵ月後には2万石への加増を得て、城持ち大名となった。秀吉は自らの出世城として特別な想いがあるこの城を、一豊に預けたということで当時の一豊への信頼度がうかがえる。
秀吉が手塩にかけて育て上げた城下町だったが、天正の大地震により倒壊、町も火の海となる。そして一豊と千代の人生に暗い影を落とす事件が・・・愛娘「与禰姫」が建物の下敷きになり、圧死したのだ。
長浜城は一豊と千代にとって出世の幸せと愛娘の死という激動の舞台であった。
山内一豊邸宅跡の石碑
一般道の地下道前に建てられている為、注意していないと見逃してしまう。